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緑色のマツモが映える直径15cmの円形水槽に、赤い鰓(えら)をぴんと開かせ、水底でじっとしているこの灰色の生き物。ウーパールーパーという両生類だ。和名はメキシコサラマンダーと、なんともかっこいい名前。メキシコは原産地名。サラマンダーは英語で、サンショウウオを指すという。
ところで、両生類といえば、幼生から成体への「変態」が有名だが、ウーパールーパーは幼生(カエルで言うとおたまじゃくしの状態)のまま成熟する、珍しい両生類なのだ。一般的に、「変態」は発生や成長に関わる甲状腺ホルモンや副腎からのコルチコイド分泌によって促進される。しかし原産地であるメキシコ・ソチミルコ湖などには、甲状腺ホルモンを作るために必要な養分(ヨードなど)があまり含まれていない。そのため、ウーパールーパーは幼生のままでも成熟できるように進化してきたと考えられている。ちなみに、まれに成体になるものもいるが、鰓は消えてしまうためイモリによく似た外見になるらしい。もっと詳しく知りたいひとは前橋工科大学大学院で研究する阿部泰宜氏のサイトを訪れてみよう。
1980年代にアルビノが発見され、マスコミ等に取り上げられたことで一躍有名になったウーパールーパーだが、つい最近こんなニュースが流れた。水生生物などを養殖する日本生物教材研究センターが、ペットとしての需要が激減していることから、ウーパールーパーの食用への販売転用を始めたというのだ。そのうち日本の食卓にも並ぶのだろうか。飼い主としては複雑な気持ちである。
(写真は生後2ヶ月のウーパールーパー。名前は「こんぶ」)