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JR東日本の京浜東北線、中央線、山手線(一部)の車両モニターで放映されている科学番組『知ってるぅサイエンス』
通常、私たちが水と一緒に飲む薬は、胃の消化液のなかで溶けて腸管粘膜から吸収され、肝臓に送られます。
薬は肝臓を経てから血液中に到達し、全身へと循環し始めていくのです。
つまり、消化液に溶けにくい薬や粘膜から吸収しにくい薬、肝臓を通過しにくい薬は、なかなか上手く効果を発揮できません。こういった薬に対しては、経口ではなく注射という方法が、通常取られています。しかし、注射はなんといっても痛いですし、何度も注射を繰り返すと血中濃度が急上昇して思わぬ副作用が起こる可能性も…。
そこで、経口や注射に変わる新しい薬の投与方法が開発されているのです。
現在研究が進められているのは、糖尿病治療のためのインスリン投与。
インスリンは腸管内で酵素によって分解されやすく、粘膜からの吸収性も低い薬物として知られています。
国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、世界の糖尿病患者は約3億人。これだけ多くの人が必要とする糖尿病治療の新しい投与法として、鼻粘膜から血液中に浸透させる技術が注目されています。ただ、インスリン単体では鼻粘膜に吸収されません。
星薬科大学の森下真莉子准教授たちは、3Dシミュレーションを駆使して粘膜の細胞をすり抜ける性質を持った物質を作り出そうと研究を重ねました。そして、ついに複数のアミノ酸がつながったペプチドを作り出すことに成功!
実際に、インスリンと混ぜて鼻に噴射すると、鼻粘膜を通って血液中に届くことが動物実験で証明されています。
近々、鼻用インスリンスプレーが糖尿病患者を救うようになる日がきっと来るでしょう。