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ゾウリのような形をした透明な微生物を, きっとみなさんも教科書の片隅で見た事があるはず。そう,今回ご紹介するのは淡水に住む体長0.2〜0.3mmの原生生物”ゾウリムシ”です。
ゾウリムシは体表にびっしりと生えた繊毛を使い,かなり速い速度で水中を泳ぎ回ります。体長の5倍もの距離を1秒間で移動するのです。ただし,常にランダムに泳いでいるわけではありません。ゾウリムシは電流をかけるとマイナス極方向に動くという「走電性」を持つ事が知られています。
これらの性質に着目して,最近ではゾウリムシを「マイクロマシンに利用できないか」という事が考えられています。
マイクロマシンとは,ミリメートル以下の大きさまで微小化された機械やその仕組みのこと。研究が進めば,コンピュータを使って電場を操作することで,その行動を制御し,人間の手の届かないようなミクロの世界で,ゾウリムシに物を運ばせたりできるようになるかもしれません。
“きな粉”を水に溶いたもので簡単に培養できるという「飼いやすさ」も手伝って,研究者がいまゾウリムシに夢中になっています。
とは言っても,ゾウリムシも生き物。なかなか思い通りに動いてくれないのが,大変だけれどおもしろいところ。
生き物を利用する研究はいま始まったばかりなのです。