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ウミガメが産卵するときに涙を流しているように見えるあの姿、実は産卵の苦しみに泣いているわけではないのです。
海に生息する爬虫類や鳥類は、食べ物と一緒に海水を取り込んでいるため、体内にはいつも余分な塩類が蓄積されています。
この過剰な塩類を排出するために、本来持っていた涙腺は「塩類腺」へと進化。そして今、海水の約2倍の塩分を常に排出するような体のしくみになったのです。海中では水の中なのでただ見えないだけで、陸に上がると目立つんですね。
ちなみに、海に生息するほかの爬虫類や鳥類の塩類腺は、涙腺とな別に発達していて、その位置もばらばら。
ウミヘビやワニはよだれを、カモメやペンギンは鼻水を垂らしているように見えます。
ウミガメの母親は1回の産卵で100個近くもの卵を生みます。地温で温められた卵は約60日で孵化し、生まれた子ガメはある夜の日に「一斉大脱走」を行います。海の中に出た子ガメは、まず24時間休まずひたすら泳ぎ続けます。これを「フレンジー期」と呼び、天敵となる魚や海鳥から逃れるためだとされています。
さて、そのあと子ガメはどのように成長していくのでしょうか?
現在、子ガメにGPS受信機や電波発信機をつけて追跡調査が行われています。
しかし、体長10cm弱の小さい子ガメに機器をつけるとその重さで溺れてしまう可能性が出てきます。
そこで浮きをつけた電波発信機を曳かせる方法を考案。その結果、フレンジー期を過ぎると子ガメは波まかせの「浮浪の旅」をしばらくします。
そのあと大人に成長したウミガメは、特定の餌場や産卵地をめざして数千kmも回遊するようになるのです。
道しるべもなにもない大海原で旅するウミガメたち、彼らのことを知るには、これからもっといろいろな追跡調査が必要になるでしょう。