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灯台の一番上まで登ると、狭い空間に大きなレンズが視界に拡がります。電球から発せられる光源がレンズを通って、遥か海の向こうまで届いています。
そのレンズは、フレネルレンズとプリズムが組み合わさって出来ています。フレネルレンズは凸レンズにギザギザの段差をつけた形をしていて、カメラのストロボにも使われています。
段差をつけることで、色々な方向に屈折してしまう光を同じ方向に向かせることが出来るのです。
更に大型の灯台では、フレネルレンズの上下にプリズムを組み合わせ、より強い光を出せるようにしています。
千葉県の犬吠崎灯台のレンズの高さは3.0m、野球場などの競技施設でナイター用照明でも使われているメタルハライドランプ(400w)の電球だと、110万カンデラの明るさを出し、約36km先まで照らすことが出来ます。
しかし、ずっと光りっぱなしではありません。このレンズは水銀に浮かべられており、モーターで一定の周期で回転させているので、10~15秒間隔で強い白い光を発するようになっています。
灯台ごとに光の色と出し方の組み合わせが違っていて、船や町のあかりとはっきり区別出来るようにしています。海に囲まれている日本には、多くの灯台があり、その中でも10か所の灯台と資料展示室を見学することができるそうです。
時間がある時に、ぜひ一度訪れてみてください。
見学できる灯台の場所一覧はこちら☆
ウミガメが産卵するときに涙を流しているように見えるあの姿、実は産卵の苦しみに泣いているわけではないのです。
海に生息する爬虫類や鳥類は、食べ物と一緒に海水を取り込んでいるため、体内にはいつも余分な塩類が蓄積されています。
この過剰な塩類を排出するために、本来持っていた涙腺は「塩類腺」へと進化。そして今、海水の約2倍の塩分を常に排出するような体のしくみになったのです。海中では水の中なのでただ見えないだけで、陸に上がると目立つんですね。
ちなみに、海に生息するほかの爬虫類や鳥類の塩類腺は、涙腺とな別に発達していて、その位置もばらばら。
ウミヘビやワニはよだれを、カモメやペンギンは鼻水を垂らしているように見えます。
ウミガメの母親は1回の産卵で100個近くもの卵を生みます。地温で温められた卵は約60日で孵化し、生まれた子ガメはある夜の日に「一斉大脱走」を行います。海の中に出た子ガメは、まず24時間休まずひたすら泳ぎ続けます。これを「フレンジー期」と呼び、天敵となる魚や海鳥から逃れるためだとされています。
さて、そのあと子ガメはどのように成長していくのでしょうか?
現在、子ガメにGPS受信機や電波発信機をつけて追跡調査が行われています。
しかし、体長10cm弱の小さい子ガメに機器をつけるとその重さで溺れてしまう可能性が出てきます。
そこで浮きをつけた電波発信機を曳かせる方法を考案。その結果、フレンジー期を過ぎると子ガメは波まかせの「浮浪の旅」をしばらくします。
そのあと大人に成長したウミガメは、特定の餌場や産卵地をめざして数千kmも回遊するようになるのです。
道しるべもなにもない大海原で旅するウミガメたち、彼らのことを知るには、これからもっといろいろな追跡調査が必要になるでしょう。
クマムシとはいったいどのような生き物なのでしょうか?世界に約350種、日本には約30種いると言われているが、その大きさはせいぜい0.5mm~1.0mmと非常に小さいのです。普段は、植物に細い針のようなものを突き刺し、栄養分を吸って生きています。
8本足でのんびり歩く姿を観察していると、ほのぼのした気分になりますね。
ところがこのクマムシ、とてもすごい能力を持っているのです。
そのひとつが「乾眠」。
ほぼすべての生き物にとって水はなくてはならないものですが、動物によっては水がなくても生きていけるようなしくみを体内に持っています。クマムシは、周囲が乾燥すると体内の水分を85%から1~3%まで減少(脱水)し、体の新陳代謝を止めます。そうすると、通常では1か月から1年しか生きられないクマムシも、乾眠状態では9年も生存できるようになるのです。地中や苔に住んでいるクマムシは、乾燥状態になると酒樽のような形状になり、100年近くも生きることができると言われています。
このしくみにはまだまだ不明な点が多く、それを解明することで食糧問題を解決する糸口となるでしょう。
また、クマムシは人間の1000倍以上も放射能に強く、損傷が起きた場合はDNAの修復もできるのです。
この特性が科学者の目に止まり、2007年9月にクマムシは宇宙実験衛星『Foton-M3』に乗ってついに宇宙へ。乾眠状態で大量の有害な宇宙線を浴びながらも、地球上に戻るとみごとに復活し生殖活動を再開しました。
この宇宙空間から身を守ったDNA修復システムを知ることで、医療の進歩にも大きく影響することでしょう。
クマムシの小さな一歩は、人類の大きな一歩と言っても過言ではありません。
ザゼンソウは、氷雪気候やツンドラ気候などの寒冷地に自生する発熱する植物です。
氷点下を含む寒冷環境下においても、発熱器官である肉穂花序の体温を、約20℃前後に保つことができるという特徴を持っています。サトイモ科の植物で、発熱器官である肉穂花序は4つの組織(花弁、雌しべ、雄しべ、維管束)からなっています。他にも、約20 種類のサトイモ科発熱植物が知られているが、他の発熱植物が1~2 日以内に発熱を終えるのに対して、ザゼンソウは1~2 週間にわたって発熱し続けるそうです。いったいどのように発熱しているのでしょうか。
稲葉靖子(岩手大学農学部附属寒冷バイオフロンティア研究センター 研究員)をはじめとする研究グループは、一年のうち1週間しか発熱しないこのザゼンソウを、根気よく研究してきました。
その結果、発熱レベルの異なる植物どうしの比較により、植物の熱生産には発達したミトコンドリアが豊富に含まれていることが重要だということを突き止めました。
非発熱植物であるポテトやカリフラワーに比べて、活発なミトコンドリアをたくさん含んでいたのです。一般的には、植物細胞は動物細胞に比べてミトコンドリアの量が少ないと言われてきたので、これは画期的な発見となりました。
植物が体温を保持する現象を、一般的に説明できるようになるかもしれません。
発熱現象はエネルギー代謝でもあるので、今後は農作物の収穫量や寒い地域での耐寒性作物の育種などに役立てられるでしょう。
環境に適応して生きる生物って面白いですね。
もっと詳しく知りたい人は
「植物による熱産生メカニズムの一端を解明~ミトコンドリアを豊富に含む細胞が、熱産生への鍵~」
をぜひどうぞ★
イカ墨とタコ墨の違いはなんでしょう?
まず、その成分ですが、イカとタコの墨の主成分は同じメラニンだが、それ以外に含まれる糖分やたんぱく質の割合が違います。
そして墨の役割。
一般に、イカ墨は粘り気が強いので、吐き出したあとも黒い塊のまま海中を漂います。魚などの敵は「もう一匹のイカが現れた」と勘違いするらしく、イカはそのすきに逃げます。いわば「分身の術」ですね。
ちなみに、光のない深海にすむイカ の多くは,体の表面にたくさんの発光器を持っています。彼らが逃げるときには,光る墨を吐き出して逃げていくのです。
逆に、タコの墨は粘り気が少ないので、吐き出すと煙は煙幕のように海中に広がります。敵が何も見えなくなって困っているうちに、タコは逃げるのです。「目くらましの術」ですね。
同じ墨でも、生き物によって使い道が異なるんです。
イカとタコは同じ軟体動物のカテゴリーに属しており、実は巻き貝や二枚貝に代表される貝類と同じなのです。
両者ともに頭から直接脚が生えているという独特の形状から、「頭足類」というグループに入ります。ほかには、オウムガイもこれに分類されています。
ちなみに、タコの八つもの脚は各々がバラバラの動きをしているのが特徴ですが、いったいどのようにして制御しているのでしょうか。
このほど、イスラエルにあるヘブライ大学のBenny Hochner教授(神経生物学)が『Current Biology』にて発表した論文によると、私たちの体のほとんどの部位は大脳の特定の1か所で制御されているのに対して、タコの動作は個々の末梢神経に依存しているということが分かりました。
つまり、タコの大脳が全体の指示を出し、それぞれの脚がその指示をもとに独自に動いているというわけだったのです。将来的には、この制御のしくみを利用して、複雑な動きをするロボットが開発されることになるでしょう。
生物を知ると、いろいろな可能性が広がりますね。
論文はこちら
http://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(09)01546-2