株式会社リバネス運営ウェブサイトメディア開発事業部(担当:もう)|リバネスコーポレートサイト
サイエンスの世界に「神ゲー」降臨。
2011年、30万人以上のゲーマーがプレイした無料オンラインゲームによって、研究者が15年以上かけても解明できなかった病原体タンパク質のかたちが明らかになりました。
エイズウイルスに対する治療法にもつながる発見です。
タンパク質は、DNAから転写・翻訳されたアミノ酸がたくさん連結し、幾いくえ重にも折り畳まれた3次元構造体として、からだの中に存在しています。
この一連の生命現象にヒントを得て、つくられたのが“Foldit ”です。
アミノ酸でできた鎖を、より小さくかつバランスよく配置すると、高得点を取ることができます。鎖と鎖の間に空間があると、目印となる赤いシグナルが点滅するため、鎖にカーソルを合わせ、その方向に移動させることができます。
また、くっつきすぎると警告のシグナルが出るので、今度は引き離すことが必要になります。専門知識は、ほとんどいりません。
こっちのほうがよりコンパクトだと、直感的に動かしながらゲームをすることができるのです。
その完成形は、スーパーコンピュータが算出した結果よりも、より実際のタンパク質に近かったということも報告されています。
開発者であるポポビッチさんとクーパーさんは、「ゲームという方法にとても可能性を感じている。自然界にないが新薬の開発につながるタンパク質もデザインできるかもしれない」と話しています。
研究者だけのものであった「科学的な発見」に、一般の人々が積極的に参加できる時代がやってきました。
サイエンスを取りまく環境は、新しく変わろうとしています。(文・武田 隆太)
取材協力:ワシントン大学 ゾラン・ポポビッチさん セス・クーパーさん
※『someone』2011冬号(vol.18)より転載。『someone』の他の記事はこちら から