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そろそろうだるような夏が到来する季節になりました。
連日25℃前後の暑さのなか、ちらほらと目立ち始めたのが、「蚊」の存在。
蚊取り線香と言えば、あの火を使う緑色の渦巻き型から、電気式や電池式などさまざまなものがありますよね。
最近では、小さく軽くした粒子状の薬剤を空気中に漂わせることで、蚊を退治するといった次世代の蚊取り線香が登場しています。
では、なぜ蚊には効いても、私たち人間には影響がないのでしょうか。
蚊取り線香には、有効成分のひとつにピスレロイドが使用されています。
このピレスロイドは神経毒で、昆虫の体内に入ると、その神経系に作用して異常な興奮を引き起こし、最終的には死に至らしめます。
ところが、人体の体内には、このピレスロイドを分解する酵素を持っているため、同じ症状にはならないのです。これは、進化の過程で、複雑な神経を守るため防御機構を発達させてきたからだと言われています。
このピレスロイドは、ほかの昆虫にも同じように作用するため、蚊取り線香だけでなく多くの殺虫剤に使われているんです。
ところが、最近では、このピレスロイドが効かない昆虫が増えているという報告もあります。
これは、ピレスロイドが農薬として農業などに活用されるようになってから、人為的な行動によって起きた「自然選択」のひとつと言えるでしょう。
ちなみに、蚊取り線香が渦巻き型になっている理由は、一本にすると長さに限界があるので40分しか持たず、また、折れやすいという欠点があったため、工夫の結果あの形になったそうです。
蚊取り線香を使うたび、めまいを感じなくて済むのは、わたしたちの体の防御機構のおかげなのです。
ことしの夏は、そんなことを思い出しつつ、蚊取り線香のけむりを眺めてみましょう。