理系エンタメマガジン ゆるりぃ

株式会社リバネス運営ウェブサイトメディア開発事業部(担当:もう)|リバネスコーポレートサイト

Top About Who?
Home > リバコミ! > ノーベル賞受賞者の素顔Vol.1 チャレンジする研究者~利根川進~

リバコミ!大学生が最新のサイエンスニュースをお届けします

リバコミ!ってなに?

リバコミ記事を毎週配信!メルマガ登録はこちら

ノーベル賞受賞者の素顔Vol.1 チャレンジする研究者~利根川進~

  • (2010/03/01)
  • カテゴリー: General

こんにちは。

今週からのリバコミは特集「ノーベル賞受賞者の素顔」を取り上げていきます。

 

科学技術の進歩は目覚ましく、数々の発明、発見の成果が私たちの生活の中に浸透しています。しかし、今私たちが恩恵を受けている科学技術の裏に多くの研究者の努力や、ひらめき、驚愕の事実感動のドラマがあったことを知る人は少ないでしょう。

 

研究者たちは研究を続ける中でどんな視点で科学と向き合ってきたのか。

科学の歴史を塗り替えるような大発見をした研究者に贈られ、科学で一番の権威とも言われるノーベル賞受賞者にフォーカスを当てて研究者の知られざるエピソードをご紹介したいと思います。

第一回目は日本人で唯一、ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進さんに焦点を当ててみました。

 

 

 

 

利根川進さんの大発見!!

利根川さんは、1987年に「多様な抗体遺伝子が体内で再構成される理論を実証した」という理由でノーベル賞生理学・医学賞を受賞しました。

無数に存在する病原菌に対して体を守ってくれている「抗体」というタンパク質が、どのように作られるのかを解明した方です。

 

抗体は血液やリンパ液の中にあり、私たちのからだに感染した病原体にくっついて、悪さをするのを防いでくれます。1種類の病原体につき1種類の抗体 が対応しているのですが、私たちが持つ遺伝子の数には限りがあります(最新の研究成果では22,000〜23,000程度)。

どうやって無限ともいえるほ ど数多く存在する病原体にどのように対応しているのか、研究者の間でふしぎに思われてきました。

利根川さんは、この神秘を解明する研究を行ったのです。

 

利根川さんは、抗体の遺伝子が「複数の遺伝子の部品を組み合わせて作られる」ことを明らかにし、その組み合わせを変えることで数多くの抗体タンパク 質が生まれることを証明しました。

たとえば2種類の部品がそれぞれ10通りずつあったとしたら、部品総数は10+10=20個でも、組み合わせは 10×10=100通りになりますよね。

 

実際には、Y字型をした抗体の中で、病原体にくっつく先端部分が遺伝子の組み合わせによって変わるようになっています。この部分は重いH鎖 (Heavy chain)、軽いL鎖(Light chain)という2本の鎖からできており、さらにL鎖は2種類に分かれます。それぞれH鎖にはV領域(約65個の部品)、D領域(約27個)、J領域 (6個)、L鎖にはV領域(30個または40個)、J領域(4個または5個)と呼ばれる部分があり、それぞれの部品の種類数をかけあわせていくと数百万種 類の抗体を作れることになります。

さらに、部品のつなぎめ部分で遺伝子が欠けたり、または部品に突然変異が入ることで、最終的に1億種類以上の抗体を作ることができるのです。

 

 

 

この抗体の多様性のしくみを解明した成果が認められて、利根川さんは1987年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

 

さらに選考委員のひとりに、「この業績は百年に一度の大発見」と言わしめたそうです。

 

 

通常、遺伝子は長い月日をかけ、親から子へと受け継がれる過程で変化していく。そうして生物は進化してきたという考えが、当時ありました。

しかし抗体を作る遺伝子だけは、生物の一生の中で大きく変化しています。

従来の常識を覆すこの発見に、おそらく選考委員は感動したのでしょう。

 

 

 

 

利根川進さんってどんな人?

世紀の大発見をした利根川さん。医学・生理学賞を受賞したので、もともと医学系や生物系を学んでいた人なのかと思いきや、実は京都大学理学部の化学科に在籍していました。彼はもともと化学にとても興味を持っていたのです。

 

では、なぜ生命現象の解明を行い、ノーベル賞を受賞したのでしょう。そこにはこんな話がありました。

 

彼が大学4年生の時、卒業研究で所属していた研究室の先輩から、アメリカで「分子生物学」という学問分野が盛り上がっているという話をたまたま聞きました。

分子生物学とは,

生命現象を「分子同士の化学反応」だと捉えて、そのしくみを調べる分野です。当時アメリカで遺伝子情報とタンパク質構造との関係が明らかにされ、まさに発展しつつある状況でした。

 

そして、遺伝子の働きがどのように制御されているかについても徐々に解明が進んでおり、彼も「自分がこの分野を発展させ、遺伝子の基本的な制御機構を解明したい」と思ったそうです。

 

 

しかし、当時の日本では分子生物学がまだなじみがなく、研究がおこなわれている機関、大学も少数しかない状態でした。

 

分子生物学を学びたいと考えていたとき、大学院の指導教官だった京都大学ウイルス研究所の渡辺格教授に、こう言われたそうです。

 

「分子生物学を学びたいなら、アメリカへ行きなさい」

 

今では学生が海外へ留学することはそこまで珍しいことではありませんが、1960年代には、日本人が外国へ行くことに対して規制がかけられていまし た。そのような社会情勢の中、これは大きなチャンスだと思った利根川さんは、渡辺教授が紹介してくれたカリフォルニア大学サンディエゴへ留学し、分子生物 学を学んで博士号を取得しました。

 

 

 

 

レッツチャレンジ!!

利根川さんはもともと化学の分野を勉強してきた人でした。しかし、それよりもおもしろい!と思える分子生物学に出会ってから、そちらへの探求心がわいてきました。そして、化学から生物学へと異なる分野の世界へ恐れずチャレンジし、そこで見事に成功を収めました。

 

そして現在は、人間らしさとは何か、ということに興味を持ち、アメリカで脳について研究しています。

 

 

自分のやりたいこと、興味を持っていることをとことんやる姿勢には憧れます。

皆さんも特定の分野にとらわれず、自分の興味が持てるものに向かってチャレンジしていきましょう!!

 (北里大学 理学部 加藤知弘)

 

 

 

 

【参考文献】

『あなたも狙え!ノーベル賞』 著者 石田寅夫 化学同人

『ノーベル賞の100年』 著者 馬場錬成  中公新書

『生化学キーノート』 著者 B.D.Hames N.MHooper 訳:田之倉優、村松知成、阿久津秀雄

http://www.cdb.riken.jp/jp/millennium/fig/fig13_01.html

https://database.riken.jp/sw/data/ja/cria42s2ria42s55i/


hatena:はてなにブックマークされた数 | Buzzurl:Buzzurlにブックマークされた数

この記事はこんな人が書きました

著者名:mou
mou
ひとこと:
URL:
http://

(39566hit)クレオパトラの顔公開:ケンブリッジ大学

カテゴリ:海外ニュース 日付:12/18 著者:george
絶世の美女といえば、クレオパトラ。 歴史上、シーザーやアントニウスという勇者を次々に魅了してきた、そのクレオパトラの素顔を復元しようとするプロジェクトが、イギリスBBC放送で行われたようです。 このプロジェクトは、イギリスのケンブリッジ大学...

(16148hit)次回は26年後、 46年ぶりの皆既日食:国立天文台

カテゴリ:一般 日付:05/07 著者:ijichi
ニュースソース:国立天文台:2009年7月22日皆既日食の情報     この夏に、1963年7月21日の北海道東部で見られた皆既日食以来、実に46年ぶりで、次回も2035年9月2日の北陸・北関東などで見られる皆既日食まで26年間起こらない皆既日食が起こ...

(14006hit)2112年の太陽嵐で、世界大停電の予測!?:NASA

カテゴリ:一般 日付:04/30 著者:ijichi
ニュースソース:wired:強力な太陽嵐で2012年に大停電? 対抗策は   昔から人類は、太陽の恵みを受けて生きてきた。 偶然にも、本日快晴のなか田植えを行い、改めてその恵みを実感した。 参照:お米生活   ところが、その太陽が地球に降り...

(10593hit)ジュラシックパーク実現なるか!?

カテゴリ:一般 日付:11/04 著者:george
ニュースソース:時事通信 凍結マウスからクローン=「マンモス復活、可能性も」-16年保存、世界初・理研16年間冷凍保存していたマウスの死骸から、なんとクローンをつくることに成功したとのこと!これは大事件です!事件現場は、神戸にある理化学研究...

(10072hit)日食を見ると視力が低下する!?国立天文台

カテゴリ:一般 日付:07/01 著者:ijichi
ニュースソース:asahi.com:日食観測「黒い下敷き危険」 国立天文台が注意呼びかけ   今年は、すべての人が宇宙(そら)を見上げる年。 そう、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で宇宙を覗いてから400年目の世界天文年であり、 国際宇宙ステーション...

受験生時代を振り返ってみた
Copyright 2009 リバネス.
All Rights Reserved.

株式会社リバネス

株式会社リバネス運営ウェブサイト

株式会社リバネス http://www.leaveanest.com/:東京都新宿区四谷2-11-6 VARCA四谷10階
お問い合わせ  »TEL 03-6277-8041  »FAX 03-6277-8042  »E-MAIL info@leaveanest.com

リバネス役員ブログ
リバネス丸幸弘( @yukihiromaru )の会社経営奮闘記
理系博士の奮戦記 博士の就職・起業・農業・農学研究 リバネス代表@shuichiro_lvns
リバネスCBO 佐野@sanotakuro のブログ
リバネス、ジョージ@geeorgey的、知識製造業
地方役員の楽しみ方 リバネスウエストエリア統括@ikkan_y
リバネス社員ブログ
世界をこの手に リバネス@yoshidatakumiのブログ
岡崎ブログ0823 from リバネス沖縄@okazakiKONKITSU
三十路からの「新」社会人生活 リバネス@ryutarigato
つぶやき by 旅人 of a road less traveled リバネス@k_tokue
気の向くままに Dog-ear をリバネス@SatokoISOGAI のブログ
リバネス @Yusukeshinozawa BLOG
変わってたっていいじゃないか!リバネス@s_kimura7120のブログ
研究キャリアライフ応援日記 リバネス@Kazuhiro_Hasega
四谷発、研究所行き リバネス@SAKASHIN
株式会社LDファクトリーのブログ fromリバネス
理系女子が綴る!理系キャリア日記 リバネス関東@mari_kanno
サイエンスで笑顔をつくる リバネス関西@ijichi
ベンチャーで働くも好(よし) リバネス@tachibanalvns
Road to 35000:科学教育で全国を盛り上げる リバネス@f_daigo
続・「博士号」の使い方 リバネス関西@t_ishizawa
思い立ったが吉日〔研究と社会を繋ぐ〕リバネス@nomumami
@tsukashu41 リバネス地域開発事業部長のブログ
100人の研究者と100の実験教室を作る リバネス@k_halu
ぶ~ぶ~生活:養豚場を作るサイエンティストの伝説 リバネス沖縄@fukusuke0310
リバネス先端研よりこんにちは!@takahaccのブログ
わたし、3人目です。リバネス@ryoko_lvnsの挑戦
日本で働いているシンガポール人の物語 リバネス@LNAnchan
ふくろぶろぐ @domeky リバネス
.@NaokoMatsubaraによるリバネスひよこから白鳥へのblog
リバネス関東 smaedalvnstのブログ
リバネスの冊子
中高生の為の科学冊子someone byリバネス
教育応援プロジェクト | 教育CSR・理科教育の活性化 byリバネス
若手研究者応援プロジェクトincu-be(インキュビー) byリバネス
日本の産学連携のリアルな現場伝えます:バイオガレージ byリバネス
地域活性化をサイエンスで支援するBeAGRI:ビー・アグリ byリバネス
研究者向けサービス
バイオ系研究サポートのバイオガレージ byリバネス
来たれ!エッジの効いた若手研究者!リバネス若手研究者応援プロジェクト
DNAシークエンスサービスバイオスターbyリバネス
リバネスのサービス
植物工場ラボ
福幸豚|食べたみんなが幸せになる豚
リバネスのオススメアイテムショップ
博士の哲学
サイコレ!〜リバネスサイエンスコレクション〜
自給自足ラボ:リバネス食料自給率200%プロジェクト
飲食店経営の処方箋:ソーシャルメディアを使い倒せ
リバネスの参加型サービス
リバネスのロボット教室@秋葉原ロボ研
EduCafe.jp-サイエンスカフェをサイエンティストが企画する-by リバネス
リバネスの飲食店
リバネスカフェ&ダイニング
東京ワイン酒場アゲマキ三軒茶屋
梅酒ダイニング明星@飯田橋
コラボレーションプロジェクト
サブウェイ野菜ラボ
鈴廣さかなラボ:身近なさかなをもっと楽しむ!
ビルベリーをスウェーデンから:ファーベリー