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りょうこ博士のかがくじゃーなるくらぶ!ってなに?

わたしはどこにいるのか?空間認知の発達 part1

  • (2010/06/23)
  • カテゴリー: General

こんにちは!りょうこ博士です。


 


かがくじゃーなるくらぶ、今週も始めます!


 


部員の皆さん、世界最先端で最新の面白い論文を一緒に読んでいきましょう。


 


皆さんもそろそろ最新の科学論文に慣れてきた(?)のではないでしょうか?


ということで今回から、まず皆さんそれぞれが英文を読んでみてから、その後で一緒に論文の内容を勉強していくことにしましょう!


 


 


今週は、まず最新の科学論文の英語のタイトルや概要をご紹介します。


と同時に、選んだ論文の内容を理解するための、キーワードをいくつかピックアップします。


部員の皆さんは、その内容について各自調べてみてください。


 


そして次の週に、そのキーワードの解説をもとに論文全体の内容をご紹介していきたいと思います。


それでは早速始めましょう!


 


 


今回は


6月18日号の 『Science』 に掲載された論文です。


 


タイトル: Development of the Hippocampal Cognitive Map in Preweanling Rats


著者: Tom J. Wills, Francesca Cacucci, Neil Burgess,John O'Keefe


概要: Orienting in large-scale space depends on the interaction of environmental experience and preconfigured, possibly innate, constructs. Place, head-direction, and grid cells in the hippocampal formation provide allocentric representations of space. Here we show how these cognitive representations emerge and develop as rat pups first begin to explore their environment. Directional, locational, and rhythmic organization of firing are present during initial exploration, including adultlike directional firing. The stability and precision of place cell firing continue to develop throughout juvenility. Stable grid cell firing appears later but matures rapidly to adult levels. Our results demonstrate the presence of three neuronal representations of space before extensive experience and show how they develop with age.


 


 


 


今週は、ラットの脳の発達に関する論文を選んでみました。


 


私たちヒトの脳の進化の過程で、最も遅れて発達した部位が「大脳」だと言われています。


この大脳の中の側頭葉の内側にある、記憶の中枢とも言われるのが「海馬 (hippocampus) 」で、今回の論文で注目している部分です。


 


ヒトは、海馬に障害を受けると記憶に重大な障害が見られるようになることから、海馬は記憶に関わる重要な機能を果たしているといわれています。


 


しかし、海馬は記憶だけでなく、空間認知にも重要であるのを知っていますか?


空間認知とは、空間にある対象の位置を認識することです。


 


例えば、ある部屋に入った時に、私達はその部屋の大きさや形などを認識し、窓がどの方向にあるのか、自分がこの部屋のどの位置にいるのかを一瞬で把握することができます。


この空間認知力が高い人は、逆立ちをしていても寝っ転がっているときにも瞬時に自分の位置や向いている方向を把握できるため、例えばアクロバット飛行をするパイロットなどに必要となる能力を持っていると言えるかもしれませんね。


 


 


この能力は、生まれる前から備わっているものなのでしょうか?それとも、成長する過程で、鍛えられるものなのでしょうか?


 


今回の論文では、生まれたばかりのラットを使って海馬周辺領域にある3種類の神経細胞の活動を調べ、成長するに従って空間の認知の仕方がどのように変化していくのかを調べています。


これら3種類の神経細胞は、空間認知に関係する機能をもつと考えられているので、これらの神経細胞の機能や成熟度合いを調べることで、ラットが成長する過程でどのように空間認知の能力を得ていくのかが分かる、というわけなのです。


 


 


それでは、皆さんに宿題です!


 


以下の3種類の細胞はそれぞれどのような働きをしているのか、これまでに分かっていることについてインターネットや本などを使って調べてみてください。


 


場所細胞 (Place cells)


方向細胞 (head-direction cells)


グリッド細胞 (grid cells)


 


 


 


来週は、これらの神経細胞がラットの成長過程でどのような変化が観察されたのか、空間認知はどのように発達するのかについて、論文から読み取っていきましょう!


私たちも、アクロバット飛行をするパイロットになれるのでしょうか?


 


それでは、続きはまた来週!


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